見つかるまでは最強、見つかると最弱。
速力が遅く、待ち伏せ前提の兵器。
そんなゲームにしづらい特徴満載の潜水艦です。
お忍びなすって。
太平洋戦争時の潜水艦、その基本性能
- 水の中に潜ることができます(可潜艦、という表現も)
- 潜ったまま、なんと海中を進むことができます(バッテリー稼働。ただし充電は、浮上してエンジンを回す必要あり。海中でやると二酸化炭素が危険で危ないですのだ)
- 敵に見つからずにひっそりと忍び、魚雷攻撃できます。(砲も積んでるのもありますが、反撃されない非武装商船限定)
- 速力は遅いです(水上で 15~23 ノット、水中で 5~10 ノット。あまりデカくて重たいエンジンは載らないので。敵洋上艦に逃げを決め込まれたら追いつけられませぬ)
- 洋上艦とガチンコ勝負はしない(無茶言わないで止めて下さいしんでしまいます。こっそり隠れて先制攻撃して、そのまま逃げましょう)
- 潜りっぱなしにはできない(バッテリーと艦内酸素を使い切ったら動けません。もし敵が洋上で待ち受けてる状況であれば、天に祈りを仰いで浮上しましょう)
帝国海軍の潜水艦
残念ながら他の艦種のような固有名詞はありません。
「頭にイ、ロ、ハ + 数字」でのナンバリングでした。
- 伊号:1000 t 以上の大型潜水艦
- 呂号:500 t ~ 1000 t の中型潜水艦
- 波号:500 t 以下の小型潜水艦
アメリカ西海岸までの長期航海を前提として作られていたため、船体大きめ、航続距離が長く、居住性に配慮して作られてたのが特徴です。
近海での活動限定の ドイツの U ボートと大きく異るところですね。
潜水艦のおしごと
潜水艦は孤独です。単独で行動することが多いのです。
他の洋上艦(戦艦・空母・巡洋艦・駆逐艦)はひとかたまりの艦隊として行動することが多いのと大きく違うところです。
- 艦隊決戦時の露払いとして敵艦隊への初期攻撃
- 海路で待ちぶせての商船攻撃(通商破壊)
- 洋上哨戒&待ち伏せ攻撃
- 敵湾内こっそり偵察
- 物資輸送(!)
- 回天母艦(戦果は薄かった…)
日本海軍の場合、(1) の艦隊決戦兵器としてのおしごとを一番念頭において着々と準備してました。巡洋艦を旗艦とする潜水艦艦隊を結成し、襲い掛かってくる米大艦隊に先制の魚雷一斉掃射をくらわしちゃれ!と。
しかし、実際に演習で試してみて「あ…ムリだわぁ…駄目だコレ!」との結論に至ってしまいました。
- 敵空母の艦載機に先に見つかって攻撃されちゃう
- 潜水艦の通信能力が低くて、密接な艦隊行動が困難
- そもそも潜水艦の数が揃わない
ということで開戦前にはがっくり肩を落として諦めてます、提督。
開戦後は、通商破壊や待ち伏せ攻撃で成果を上げますが、帝国海軍の旗色は順調に悪くなってまいります。
ある日提督に呼び出されて、なんぞと思いましたところ。
「ちょっと輸送任務について」
「は!?」
小さい・狭い・遅いの三拍子揃った潜水艦に、よりにもよって輸送任務を行えとおっしゃる!?
しょうがないんです。制空権・制海権ともにアメリカ様に握られてしまいましたので。
そんな海域へなんとか忍び込めるのは潜水艦だけでした。「モグラ輸送」と呼ばれます。イメージしやすいですね。
(後に、波一〇一型潜水艦という、魚雷装備せずに輸送専用に開発されたものも出てきます。いずれにせよ運べる荷物なんてごくわずかですが)
太平洋戦争末期は、望み薄の艦隊決戦に駆りだされて大損害を喰らって大幅に数を減らしちゃいました。
艦これの潜水艦システム
ということで、特定の海域に進むと必ず姿を現して、昼間は一方的に攻撃を受けるだけの敵潜水艦というのはちょっとおかしな存在です。潜んでナンボの潜水艦ですので。
でもまあ、あのゲーム内に落としこむためにはしゃーなしかなあと思います。
毎マップごとにランダムで先制魚雷攻撃してそのまま逃げる潜水艦なんて出てきてもゲーム的に楽しくないですし。というか渦巻ですねコレ。
味方潜水艦は、艦これゲーム内で、割りと便利な存在として実装されました。
- 開幕時に先制爆撃を行う。(威力の大きい魚雷攻撃)
- 昼戦では、対潜能力を持つ艦(軽巡・駆逐)は必ず潜水艦を優先して攻撃してくる。(被害担当艦として他の味方艦を守る効果がある。
- 昼戦後の一斉雷撃ターンでも攻撃を行う。
- 夜戦では被弾命中率がかなり下がる(暗い夜に潜水艦を狙うのは困難というのが反映されてる模様)
潜水艦だけで艦隊を組めば、強力な攻撃力を持つ敵戦艦・正規空母からの攻撃を一切食らわずに一方的に攻撃ができるのは大きなアドバンテージですね。