名前の由来
名前が一人歩きしてる艦種ナンバー1。それが駆逐艦です。
歴史的な由来は、魚雷艇というモーターボートみたいな小さい高速艦艇が居てですね。
こいつに大型艦を奇襲されるとダメージがデカいので、小さな砲を持った船で追いかけて片付けて回りましょう。それが「水雷艇駆逐艦」となります。
英語で言うと「デストロイヤー」、なんだか強そうで格好良くなりましたね。
後に、駆逐艦自体が魚雷を持ったりして進化していきます。
おおざっぱな定義としては、【巡洋艦より小型で、装甲は薄いけど小さくて小回りが効く汎用性の高い艦】といったところです。
現代においては、当初の言葉の意味も完全に薄れちゃいました。国によっても異なりますが、重巡洋艦~駆逐艦クラスの艦艇は全部まとめて「駆逐艦」と呼ばれたりしてます。
ズムウォルト級という大人げない駆逐艦は全長 183 mもあったり。もうワケがわかりませんわん。
太平洋戦争時の駆逐艦の特徴
外洋航海能力。広い太平洋を戦場とする日本海軍にとっては必須条件でした。
燃費の良い巡航速度で航行すると、だいたい一ヶ月ぐらいは燃料が持ち、給油艦の助けを借りずに遠くまで移動することができます。
武装
小型の艦砲/魚雷/対空機関銃/対潜爆雷を装備。
後期型ほど対空機関銃を強化してます。敵飛行機怖いので。
艦のサイズは大体 100 m 前後で、100~250 名程度で動かします。
小さい分速度が早く、全速力で 35~38 ノットぐらいの高速移動ができました。
ぜまかし 41 ノット(≒74km / h)。早っ!?
ただし、全速力で走ると、一日ぐらいであっという間に燃料切れなので、ここぞ!というときに。
紙防御力
帝国海軍は攻撃力偏重で武装を乗せまくりました。諸外国が呆れるほどだったそうです。
ですので、狭い艦内には武器弾薬がぎっしり。装甲は分厚くすると遅くなりますので必要最低限。
被弾喰らって誘爆したら即火だるま。危険が危ないです。
お仕事たくさんです
- 敵艦隊への攻撃
- 艦隊の護衛役として輪形陣の外側に配置されて敵飛行機への機銃攻撃
- 敵艦隊が居そうな海域への偵察
- 敵潜水艦が潜んでないか、味方艦隊が留まっている海域のパトロール
- 漂ってる機雷のお掃除
- 物資輸送(!)
とにかく小回りが効いて燃費がいいので、便利に働かされました。
戦艦や空母が停泊して休んでる際にも忙しく働かなきゃいけません、大変ですね。
潜水艦のトラウマ
敵潜水艦を狩るのも大事な仕事ではあるんですが、初期は割りと軽視されてしまいました。
敵艦隊への魚雷攻撃優先で訓練してましたし、悲しいかな駆逐艦の絶対数も足りませんでした。
その上、初期の米潜水艦の魚雷は不発が多くて危険性が低いと判断されたのもあったようです。
しかし、戦争後期、お決まりの米帝プレイで敵潜水艦はいたるところにもりもり出てくるは、魚雷の不良も改善されるわで、大変痛い目を見る結果になりました。
太平洋戦争を通じて、帝国海軍の沈没艦艇の半数以上は敵潜水艦によるものです。
慌てて対潜水艦対策を強化しましたが、まあ後の祭りです。
え? 潜ってる潜水艦をどうやって見つけるかって? 「水中聴音器」を差し上げますので、頑張って耳で聞いて判別してくださいね。
このトラウマのため、戦後の海上自衛隊は対潜特化の進化を行い、世界最強の対潜番長という称号を得るに至りましたとさ。めでたしめでたし。