決戦!鉄底海峡! ~たんけんはっけんぼくのうみ~


海峡入り口を探って (E-1) 、夜になったら突入 (E-2) 、防衛する敵艦隊を撃破し (E-3) 、飛行場を夜間砲撃する (E-4)。

なんで夜戦なんでしょう? どうして飛行場を攻撃するんでしょうね?
調べて納得! 史実を追いかけていきましょう。
なお、史実の結末から先に言うと、飛行場砲撃作戦は、達成度 50 % の成功。つまり、失敗でした。

 

 

前段の状況

1942 年 8 月。太平洋戦争開戦から約 9 ヶ月後。
日本海軍は、6 月のミッドウェー海戦で大敗。戦力の中心である正規空母を、一挙に4隻失ってしまっていました。
ゲームで感覚を掴んでる提督なら理解できると思います。この喪失感、この絶望感

とはいえ、落ち込みっぱなしでもいられません。戦争は続いています。
この先、どうしましょう?
ミッドウェー海戦以前に立てた計画では、フィジー・サモア・ニューカレドニア地域を占領し、アメリカとオーストラリアの間に楔を打ち込むつもりでした。

↓ 拡大 フィジーとソロモン諸島の位置関係が注目ポイントです。

 

オーストラリアは当時自給自足ができておらず、アメリカからの輸入に頼ってる国でした。
アメリカとの連絡路を絶ち、兵糧攻めにして降伏させれば、南から攻められる心配が無くなるのです。
でも、失った空母機動部隊有りきで立てた、かなりリスクの高い冒険的な作戦です。

海軍の軍事作戦を統括する「軍令部」は、現場の「連合艦隊」に指示を出しました。
なんとかして初期計画通り頑張れ」と。
無茶ぶりです。現場としては、なんと言われようと無理なものは無理と返すしかありません。
すったもんだのあげく、作戦を修正して縮小。
少し手前の島に航空基地を建設し、空母の代わりの航空兵力とすることにしました。

島の名前は「ガダルカナル島」。縮めて、「ガ島」。
パプアニューギニアの東、オーストラリアの北東、フィジーの西、ミッドウェー諸島の南西。
ソロモン諸島の中で、最大の島です。

といってもピンと来ないので、地図で見ましょうね。【ソロモン諸島】 って書いてある島が、ガ島です。

↓ 拡大 主に、【ホニヤラ】 に至るまでの、【サボ島】の周りで海戦が繰り広げられました。

ガタルカナル島の中心部に近づくための海峡が、「鉄底海峡(アイアンボトム・サウンド)」と呼ばれました。
名前の由来は、文字通り、海底が沈んだ船だらけだからです。

 

 

 

ガタルカナル島に航空基地を作りましょう

飛行場に必要なもの。まっ平らな地面です。
しかし現地はジャングル。
人手で森を切り開き、スコップとツルハシと猫車で頑張りました
蒸し暑い南米で朝から晩まで働き通し。どんなに大変だったことでしょう。

ガダルカナル島地図

中央の赤いところが飛行場建設地です。 (出典:ウィキペディア・コモンズ

苦労の末、ようやっと完成しかけたころに、押し寄せてくる大量の米軍
攻めてくるのは半年以上先だろうと予想してたので、島には最低限の守備隊しかいません。
為す術もなく、飛行場は奪われてしまいました。

飛行場は米軍によって完成させられ、「ヘンダーソン飛行場」となります。
米軍の進行に対する抑えの一大拠点とするはずが、立場はあっという間に逆転。
日本海軍にとって、物凄い目の上のたんこぶとなってしまいました。

ヘンダーソン飛行場

ヘンダーソン飛行場

なお、飛行場は戦後も活用され、「ホニアラ国際空港」と名前を改めてます。

 

 

 

第一次ソロモン海戦

取り返さねばなりません、奪われた飛行場を。
重巡「鳥海」を旗艦とする艦隊で反撃を試みることにしましょう。
残りの構成艦は、「古鷹」「青葉」「加古」「衣笠」「天龍」「夕凪」「夕張」。
率いるのは、三川軍一中将。そう、「三川艦隊」ですね。

重巡「鳥海」

重巡「鳥海」

単縦陣で一列になって、北西方面からガタルカナル島の港を目指します。
目標は、敵輸送船。米側は大軍を島に上陸させてるので、大量の物資を継続的に消費します。
補給を断てば、即座に困窮するでしょう。

米側も当然、護衛艦隊を港に配備。物資を島に揚陸してる最中の輸送船団を、守ってました。
三川艦隊は、味方空母の艦載機の護衛を受けることができません。米空母艦載機の攻撃に、一方的に晒される危険が危ないのです。
作戦行動は飛行機が活動できない夜に限定し、朝を迎える頃には遥か遠くへ逃げましょう。それしかないです。

深夜 23 時。
夜戦用に特別に訓練した見張り員が、米艦隊を肉眼で発見しました。
米側の護衛艦隊は、油断して迎撃態勢をとっておらず。不意打ちの形です。
水上偵察機から吊光弾を落として米艦を浮かび上がらせて、砲撃を開始。
結果、日本側はほぼ無傷で、米重巡4隻を沈めるワンサイドゲームとなりました。

日本海軍艦隊の侵入路

右下の小島がサボ島。画像の一番右下が目的の飛行場です。米艦隊攻撃後、手前で引き返してますね。
(出典 : ウィキペディア・コモンズ

しかし貴重な時間は消費しました。タイムリミットの夜明けは間近。
戦闘後、このまま泊地に突入して米輸送船団の攻撃を行うか、の検討が行われます。
すなわち、自らの艦隊と引き換えに、輸送船団と刺し違える覚悟があるかどうか

結論、艦隊の安全帰投が優先となりました。撤収です。
この決断は、当時も後世でも批判を浴びています。あくまでも主目的は輸送船団の撃破ですので。
しかし、米側の輸送船団は無数に来るであろうことを考慮すると、第一波を止めるのに貴重な味方戦力を磨り潰しても良いものか、とても難しい判断です。決断を迫られる司令官は大変ですね。

なお、帰り道で「加古」が潜水艦の送り狼の雷撃を喰らって、沈没してしまいました。
味方の制空圏内に無事辿りついて油断があったのかもしれません。
潜水艦に不意打ちを喰らわないためのジグザグ運動を、止めていたのです。

 

 

 

ガ島の慢心

第一次ソロモン海戦の結果、護衛艦隊を失った米側は、輸送船団を含めてガ島周辺から一旦退避しました。
島の制空権と制海権は、日本側が掌握。島を占拠した米軍は補給を受けられず困窮していきます。
ここで大軍投入して一気に攻めれば日本側の勝利です。・・・でした。

日本側は勝利に気を良くして慢心。米側戦力を低く見積もり、他方面に戦力を分散させてしまいます。
少数の陸軍で島に上陸し攻めたら、予想以上の大軍から返り討ちに遭って完敗。
そうこうしてる間に、米側はガ島に飛行機隊を送り込み、基地航空機隊を完成させてしまいます。
制空権は、再び米軍のものとなりました。

日本海軍側の基地航空隊も居て、なんとか米軍を抑えようと頑張ったんです。
しかし、最寄りの基地があるのはパプアニューギニアのラバウル。ガ島まで 約 1,100 km も離れていました。

(左上のニューブリテン島にあるのが日本側飛行場、右下のソロモン諸島が出勤先です)

片道4時間ほど掛けて移動、現地滞在30分ほど戦闘、燃料が無くならない内にまた4時間掛けて帰投。そんなお仕事です。
運転疲れたからちょっとパーキングエリアによって一休憩、なんてできず。助手席に運転代わってくれる人もおらず。緊張を強いられ続ける長時間の連続出動で、心底ヘロヘロです。
疲労がポンと取れる素敵なお薬? ああ、それはいけません・・・。
かように、頑張って根性で努力してもどうにもままならない現実が有りました。

昼間の艦隊行動ができなくなった日本側。
島に近づく輸送船も、ボコボコ沈められていきます。
ガ島で陸伝いに飛行場攻略作戦を行う日本陸軍には補給が途絶え。
ガ島は、飢えた島、「飢島」と評されるようになっていきます。

 

 

第二次ソロモン海戦

あの飛行場をなんとかしないといけません。なんにも作戦行動できない。
虎の子の「翔鶴」「瑞鶴」「龍驤」を中心とした空母機動艦隊を差し向け、空母機動部隊同士の戦いが行われました。

結果、米空母「エンタープライズ」を中破させるも、「龍驤」が沈没
損失を出しちゃいけない貴重な空母を、更に失ってしまいました。
空母機動艦隊は、これ以降、運用がますます慎重になります。

攻撃を受ける軽空母「龍驤」

攻撃を受け停止状態の軽空母「龍驤」 (画像上)

 

 

サボ島沖海戦(第 1 次挺身攻撃隊)

重巡「鳥海」を旗艦とする艦隊。その砲撃により、飛行場を攻撃しましょう
昼間はもちろん危ないので、夜陰に乗じての砲撃です。
しかし、飛行場を護衛する米艦隊が待ち構えていました。

米艦隊はレーダーで近づいてくる日本艦隊を把握
日本側はまだ気がついていません。待ちぶせして、T 字有利の陣形に持ち込みます。
夜戦を得意とした日本海軍のお株は、皮肉にも完全にひっくり返されてしまいました。

重巡「青葉」が遠くに見かけた、未確認の艦影。
付近を作戦活動中の味方艦隊と誤認し、サーチライトの発光信号で連絡を試みました。
格好の的です。集中砲火を受けました。
ワレ アオバ! ワレ アオバ!」 (味方だから誤射を止めよ!)
味方じゃありません、敵です。

重巡「青葉」

重巡「青葉」

ただ、「青葉」が特別間抜けだったかと言うと、そうでもなく。
米軍側も、逆のパターンで、「鳥海」からサーチライトで照らされて砲撃されたのを味方の誤射だと思い込み、青葉と同様の悲鳴をあげたこともあったりします。
真っ暗な海での行動には、常に誤認はつきものでした。

第一次ソロモン海戦 探照灯に浮かぶ「クインシー」

第一次ソロモン海戦で、探照灯に浮かぶ「クインシー」の写真。
艦形の判別も、着弾観測も、難しそうです。

戦いは、日本側の敗北で終わります。
重巡「古鷹」、駆逐艦「吹雪」を喪失。重巡「青葉」大破。
古鷹は、集中砲火を受ける青葉の前に出て盾となり、身代わりに沈んで鉄底海峡の一員となりました。
戦闘終了後、古鷹の救難に当たった「叢雲」も、航空機空襲を受け行動不能に。初雪の介錯を受けて失われます。

 

 

 

ガ島挺身砲撃(第 2 次挺身攻撃隊)

高速戦艦 「金剛」 「榛名」 による、飛行場砲撃作戦。
狭く浅い海峡内で、大型の戦艦による夜間行動は、座礁のリスクも有る危険な任務です。
上のサボ島沖海戦で「鳥海」達が米側護衛艦隊を引きつけてくれたおかげもあり、無事に射撃地点まで辿り着くことができました。

戦艦「金剛」

戦艦「金剛」
(ウォーターライン シリーズ模型/船の科学館収蔵)

午後 23 時過ぎより、飛行場に向けて射撃を開始。35.6 cm の巨砲が火を吹きます。
まず三式弾。撃ち尽くした後は、徹甲弾。
合計で 約 900 発の主砲弾が打ち込まれました。

空中で弾けて薄く燃え広がる三式弾は、柔らかい目標には凄く効果的
飛行機も燃料も、大半が破壊されました。
コンクリートで固められた滑走路は三式弾の効果は薄いものの、続く徹甲弾で大きな穴だらけに。
壊滅的な被害です。

三式弾 弾子放出の状況

三式弾の発射実験資料。
花火のように、放出された無数の弾子が広範囲に広がってます。

(三式弾と徹甲弾の違いについての詳細 : 説明! 徹甲弾の、三式弾による、VT 信管のための!

翌日に「鳥海」「衣笠」が、翌々日に「妙高」「摩耶」が、飛行場に追撃を加えました。
米軍側は被った損害にかなりの衝撃を受け、物資状況は苦しくなり、潜水艦によるモグラ輸送などで補給をギリギリ凌ぐ事態にまで追い込まれます。

ということで、飛行場砲撃作戦は大成功を収めます。
作戦の裏で、大量の陸軍部隊も島に送り込むことができました。

と、思いきや。
実は日本側が知らない第2飛行場が作らており、そちらは全くの無傷。
結局、米軍基地の航空攻撃力を無力化するという目的は完遂できず、日本側輸送船団への攻撃は続くことになりました。

 

 

 

南太平洋海戦

ガ島を奪い合う争いに、投入される虎の子の空母機動艦隊。
お互いの艦載機で攻撃し合う、空母艦隊同士の遭遇戦です。

「翔鶴」が大破。代わりに、米空母「エンタープライズ」を大破させ、「ホーネット」を撃沈。
戦闘自体は日本軍勝利でしたが、ダメージを負った日本空母機動艦隊は後退を余儀なくされ、ガ島地域の制空権は完全に米軍側に戻ることになりました。
日本側機動部隊の艦載機からの妨害が無くなり、米軍側のガ島基地への補給体勢も完全に元通りです。

 

 

第三次ソロモン海戦 第一夜戦

ガ島をめぐる陸軍同士の戦いは、補給がろくにできない日本軍側がジリ貧です。
日本軍側は総力を揚げて、ガ島への一大攻勢を掛け、兵員物資を輸送する計画を実行に移しました。

察知して迎撃態勢を整える米軍側。
戦力的には優位に立っていたものの、決して余裕があったわけではありません。
訓練の浅い経験不足の新規艦や、やっつけ応急修理の艦など。
手持ちのカードをかき集めて全部投入する、ギリギリの戦いです。

比叡」「霧島」を中心とする飛行場砲撃部隊。
スコールどしゃぶりの悪天候下で、艦隊行動が乱れます。
レーダーで察知した米防衛艦隊は、迎え撃ち。

敵味方入り乱れての、海戦史上に類を見ないと評されるほどの混戦となりました。
「五月雨」が「比叡」に機銃掃射を行ったりなど、誤認による同士討ちも相次ぎます。

軽巡洋艦ホノルルから撮影された、クラ湾夜戦で砲撃中のヘレナあるいはセントルイス

夜戦のイメージ。燃えてる艦の光が無ければ真っ暗。 ぼんやり見える、あれは敵? それとも味方?

戦闘結果は、日米艦隊ともに多大な被害でした。
日本側艦隊は、「夕立」「暁」を喪失し、飛行場攻撃を断念して撤退
ダメージを負って舵が効かなくなった「比叡」は、朝を迎えて、米攻撃機からの追撃を受けます。
隼鷹」の艦載機が必死に守るも、完全に航行不能になり、味方の介錯を受け沈没しました。

空襲を受ける戦艦「比叡」

舵が壊れて同じ場所をグルグル回ることしかできなくなった所に、空襲を受ける戦艦「比叡」

 

 

 

第三次ソロモン海戦 第ニ夜戦

霧島」を旗艦とする飛行場砲撃部隊。
米側は新鋭戦艦「サウスダコタ」「ワシントン」二隻を中心とする部隊で待ち受けました。主砲 40.6 センチの強力艦です。

戦艦「ワシントン」

戦艦「ワシントン」。 両舷の高角砲が盛り盛りです。

夜戦による、至近距離での混戦が再び発生しました。
レーダーで艦影を捉えても、敵か味方かの判別に迷って攻撃をためらったり。
敵艦に魚雷を撃ち、大爆発の光が見えて当たったと思ったら、途中で誤作動自爆してただけだったり。
砲撃命中で敵艦を大破させたと思って砲撃を止めたら小破で、手痛い反撃を喰らったり。
混乱の極みです。

戦艦同士が直接砲撃をぶつけ合う激しい戦いの末、「綾波」を喪失、「霧島」は大破し後に沈没
飛行場砲撃の要である「霧島」を失ったことにより、日本艦隊は撤退を余儀なくされました。

輸送船団は、深夜の闇夜に紛れて、揚陸地点の浅瀬に捨て身で突っ込み、陸軍部隊と物資の揚陸を開始。
夜明けと共に、米側からの苛烈な攻撃を受け、全船舶を失います。
こうして、ソロモン海戦における飛行場砲撃と輸送作戦は、失敗に終わりました。

 

 

その後の状況

いよいよ打つ手が無くなった日本軍は、ガ島の攻略を断念
島に取り残された多くの陸軍部隊を助けるべく、多大な犠牲を払って撤退作戦を敢行し、なんとか成功を収めます。
半年に及んだガ島をめぐる戦いは、こうして終焉を迎えました。

鉄底海峡は、日米両艦隊の船が大量に沈み、無数の飛行機の墓場となりました。
占領地域の拡大を続けてきた大日本帝国にとって、この地域が転換点
後は、日本本土侵攻まで、ひたすら劣勢に追い込まれていくことになります。

 

 

 

沈んだ軍艦一覧

  • 駆逐艦「睦月」  :  輸送船救助活動中
  • 重巡洋艦「加古」 : 第一次ソロモン海戦
  • 重巡洋艦「古鷹」  :  サボ島沖海戦
  • 駆逐艦「吹雪」  :  サボ島沖海戦
  • 駆逐艦「叢雲」 : サボ島沖海戦
  • 軽空母「龍驤」 : 第二次ソロモン海戦
  • 戦艦「比叡」  :  第三次ソロモン海戦
  • 戦艦「霧島」  :  第三次ソロモン海戦
  • 重巡洋艦「衣笠」 :  第三次ソロモン海戦
  • 駆逐艦「暁」  :  第三次ソロモン海戦
  • 駆逐艦「綾波」  :  第三次ソロモン海戦
  • 駆逐艦「夕立」  :  第三次ソロモン海戦
  • 駆逐艦「高波」  :  ルンガ沖夜戦
  • 駆逐艦「照月」  :  鼠輸送作戦
  • 駆逐艦「巻雲」  :  ガダルカナル島撤退作戦

 

 

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